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居留許可証

留学ビザ(X)の期限が切れるまでは中国の就労ビザ(Z)は取得できない。

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 日本で働いていた方が、一旦上海などに留学し、その留学中に就職先を見つけて上海でそのまま就職するケースが時々見受けられる。
 まあこの際に問題になるのが、留学ビザ(X)と新規に取得する就労ビザ(Z)の関係である。
 留学ビザ・就学理由の居留許可というのは、やはり就学が許可された学校があって初めて許可されるものなので、大原則として学校の就学期間とシンクロして発行される。

 それ故に、就学理由の居留許可というのは就業理由の居留許可同様に自分勝手に短縮することが出来ないのであり、原則として「留学ビザ(X)・就学理由の居留許可」の期限が満了するまでは次のビザ手続きに移れないルールとなっている。

 従って、留学ビザ(X)→就労ビザ(Z)へ切り替える場合などは、居留許可の期限到達を待ってからでなければ就労ビザの手続きに入れず、さらに取得手続きは中国の在外公館で行うため、留学ビザ(X)の期限が満了する時点で中国から出国している必要があるのである。
 具体的に言えば、例えば6月30日までの就学理由の居留許可で中国国内に滞在していた場合は、7月1日0時の時点で中国国内にいてはならず、日本なり香港(国外扱い)なりに出て、0時が過ぎるのを待つ必要がある。
 もしその居留許可のまま7月1日0時を過ぎれば、不法滞在状態となり罰則の対象となってしまうのである。

 しかし国外で0時を過ごせばそれまでの居留許可の期限拘束から解放されるわけで、日本人ならばそこからもう一度再入国しても今度はノービザ扱いということになり15日間の滞在はOKとなる。
 さらにこの時点で新たにビザの手続きが可能になるので、その新規のビザで中国滞在も当然可能になる。
 いずれにしても、居留許可期限時のの国外出境は必須であり、1日早く出ても1日早く入れるわけではなく、期限切れの時点で中国国外にいる必要があるのである。
 もちろん、重い病気で入院した時など、どうしても出境できない特別な理由がある場合は、手続きすれば臨時の延長許可も出ないこともないが、そういうことは例外中の例外と考えた方がいい。

 じゃあ、留学ビザをとってしまったら、許可期限まで就学しないと次のビザに切り替えられないかと言えばそんなことはなく、会社の離職証明書同様に、退学証明書を学校に発行してもらえばよいのである。
 退学証明書を出してもらえば、その退学日でビザを打ち切ることが可能で、次のビザ手続きをスタートすることが可能になるのである。

 ただ、その場合はその就学先の修了証なり卒業証明書が出ない可能性が有り、安易な退学を行なうと就学期間が無駄になる可能性もあり、キャリアにカウントできなくなる場合も出てくる。

 しかもその場合でもビザ期限満了時点も国外出国は必須で、期限が切れてからの新手続き開始の原則は変わらないことは注意する必要がある。

  従って、就学理由の居留許可の有効期限というのはある意味で就労の居留許可より重い意味を持っているとも言えるのであり、その重要性をよく理解して行動日程を立てる必要がある。

中国の外国人居留許可(就労ビザ)は会社の営業許可期限までしか更新延長できない

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 先日、弊社にビザの延長を依頼されてきたお客様の中でやや特異なケースがあった。

 このお客様は本人が居留許可証を延長更新したいというので弊社に依頼があったのだが、書類を確認したところ、本人の所属する会社の営業許可証の期限が来年の2015年1月までとなっていた。
 もちろんその会社自体に問題があるわけではなく、単にまだ営業許可延長の手続きを開始していなかっただけのことなのだが、とにかくその会社の営業許可は来年の1月までの7か月しか期間が残っていなかったのである。

 そうすると、残念ながら企業を基礎として雇われる従業員の労働ビザ・居留許可に関しても、ビザが取得できる期間は会社の営業が許可されている範囲の期間となり、今回は最大でも会社の営業許可が出ている来年1月までしか取得できない状態だったのである。

 本人は過去の慣例通り1年間の延長を希望していたようだが、残念ながら会社の営業許可期間を越えての延長はできないのである。

 ならばと慌てて会社の営業許可の延長手続きを始めるにしても、残念ながら最終的な結果が出るまで少なくとも1~2か月かかるのが通常で、ちょっと今回のビザ延長の手続きには間に合いそうもなかった状態であった。

 今回は仕方なく、本人のビザは会社営業許可がある1月までの延長となり、会社の営業許可の延長後の年末に、また改めて延長しましょうということになったのである。
 1年経たないうちに再延長は勿体ないし面倒くさい状況であるが、どうにも仕方のない状況となってしまった。

 そういえば2000年代前半から急激に増えてきた登録企業は、もし10年の登録期限ならば、ここ数年で急激に期限を迎えるはずであり、今後こういったケースは増えそうである。

 皆様も自社の営業許可期限には十分ご注意を!
 

中国のビザは本当に外国人に厳しくなったのか?

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 昨年2013年9月に中国の出入国管理法令が変更され、中国における外国人のビザ発給その他が厳しくなり、中国で働くのが以前より難しくなったとされる。
 それ故に中国における外国人に対する規制が厳しくなったとも言われる。
 果たして本当にそうなのだろうか?

 これはあくまで個人的な見解だが、昨年の法律改正は外国人に対して厳しくしたというより、中国国内の引き締めを図って、今までナアナアで済ましていたことを法律本来の趣旨にのっとって、厳密に行政事務処理を実行しようと物事が整理されただけなのではないかという気がするのである。

 例えば、Fビザの扱いだが、これはもともとも中国国内での労働を認められたビザではないし、発給してもらうには中国国内の機関や企業が発行する招聘状が必要だったはずであるが、何故かパスポートだけを持って行って手数料を払うだけで発行してくれる旅行社などがあった。

 そしてそのFビザを持って中国国内で働いていた外国人がかつて大勢いたのである。

 察するに、かつてのこのFビザ発行には、“招聘状を発行してくれる機関を自動的に紹介してもらうシステム”が確立されていたのではないかと思う。

 それ故に、招聘状を持たずともパスポートだけでもFビザが発行されていたように見えるケースがあったのであり、およそお金さえ払えばビザが取れる状況になっていた。
 しかし、こういった無制限無秩序とも言える招聘状のバラマキにストップがかかったのが、近年の規制であり、昨年の法律改正だったように思える。
 つまり、今回外国人に規制をかけたというより中国国内での無秩序な書類発行を正したというのが本当の実情ではないだだろうか。
 それ故に実は法律にのっとった正しいやり方でビザを申請する場合においては、外国人に対して特に厳しい状況になったとはあまり感じないのである。
 FビザやMビザの労働はもともと禁止されているし、発給に招聘状が必要なのは昨年の法律改正以前からの話である。

 確かに昨年以降に取締りや審査が厳格になった面はあるかもしれないが、どちらかと言えば今までが余りにもユル過ぎたのであり、まっとうな方法で手続きを行なう上では必要以上に恐れる必要はないと思える昨年の法律改正だったような気がする。

駐在の奥さんが仕事を始める場合の中国でのビザ手続き

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 駐在員の奥さま達の中には中国に来られたあとに、時間を持て余して何かしら仕事を始めたいと考える方も少なくない。
 こういった奥様達の場合、たいていは御主人の就業ビザに付随するという意味でS1(家族ビザ:中国語では私人ビザがSの由来)で入境し、労働者本人の家族という理由で居留許可を取得しているケースがほとんどなのではないかと思う。

 しかし、中国の法律から言えば、このS1ビザで入境した人の中国国内での労働は認められていないのである。

 まあほんのアルバイト程度の労働ならば動くお金も少ないし、例えば日系病院の日本人向け受付のような場合は名前そのものが表に出ることもないので、こっそりS1の家族ビザのまま働いていても摘発されることはほとんどないと思われる。
 しかし、堂々と名刺を沢山配る営業職などは明らかに労働してることが公になるし、報酬にしてもそこそこまともな金額が支払われるので、やはり労働者と認定されること必須で、家族ビザのままでいれば隠しきれず違法労働ということでいずれ摘発される可能性がある。

 つまり結局は、そういったまともな働き方をする場合は、駐在の奥さんという立場があっても、ビザの取り直しが必要になり就労ビザ(Z)の取得手続きをほぼ1から始めなくてはならないことになる。

 この就労ビザを取得するということは、つまり当然のことながら国外から入境という段取りが必要になることを意味し、必然的に出国も必要となるので渡航費その他が嵩んでくるし、時間もそれなりに必要となる。

2016年にルール変更「新規労働ビザ取得時の一時出国が不要に、但しノービザは駄目」

 また逆に仕事を辞める時も同様で、仕事を辞めた途端に原則として就業証も取り消されるのが法律的原則となっている。
 つまり、すぐに転職して別の仕事を始めるにしても、無職になり駐在のご主人の専業主婦に戻るにしても、またもや居留許可の理由変更手続きが必要になるということになる。
 もし居留許可の変更手続きを行わないまま就業証が取り消された状態で放置すれば、状況によっては不法滞在として罰金対象になってしまうことにもなりかねないので、やはり手続きは必須となる。

 まあ長期で働くのであれば仕方ないこれらの手続きも、短期で就職・離職を繰り返していてはその都度手続きが発生するわけで、かなり面倒な状況だろう。

 しかもこうやって手続きを繰り返せば、当然のことながら代行業者に頼む頼まないに限らず手続きの度に最低限の手数料がかかるわけで、就職時に就職先の会社がビザ取得費用を負担してくれたとしても、まさか退職時に再びS1の家族ビザに戻る時の費用までは、駐在の御主人の会社を含めてどこも負担をしてはくれまい。

 まあ日本国内の就職だって採用側は社会保険の加入脱退手続きなど、人が出入りすると想像以上に面倒くさい処理が発生するのだが、外国である中国ではそれ以上に面倒くさいものとなっている。

 それ故に、駐在の奥さんで中国にやってきた場合は、時間が余っているからと言って日本国内と同じ感覚で気軽に短期で仕事を始めたり辞めたりするわけにはいかないのである。

 よって、駐在の家族の立場から新たに働きたいと考える場合は、そういった手続きの面で面倒くさいことを乗り越える必要があることを予め心して働くべきなのである。

中国内の国内転勤もビザの変更が必要

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北京での社会保険料徴収開始に伴い、上海へ外国人の籍を移す企業が増えていると聞く。
上海ではまだ社会保険料(年金)の徴収が開始されていないため、同じ給料の社員であっても北京と上海で企業の支出に年間にすると相当の差が出てしまうようだ。
 そこで、今回のように北京にいた外国人社員を上海の支社などに移すことになる場合、やはりビザの変更手続きが必要になる。

 中国では各都市の労働人材管理は各都市の労働局に判断が任されており、公安による外国人の居留管理の観点から言っても、全国共通でどこでも自由に動いてよい状態にはなっていない。

 従って、外国人社員を北京から上海に移す場合は、労働局の管轄が変わることになるので、就業証の変更と居留証の変更が必要になるのだが、企業側にとっては系列支社への社内転勤のつもりであっても、本人の手続きとしては転職と同様に別会社から移籍してきたことと同様の手続き処理をすることになる。

 ここで気をつけたいのは、勤務地が変わる場合は通常の同一地域内転職手続きと違って二段階の手続き処理が必要になるということ。

 すなわち、転出する側と転入する側の労働局それぞれで手続きが必要になる。

 今回のケースで言えば、北京で退職処理をしてから、その書類を持って上海で入社手続きをすることになり、同一地域内転職が一度で済む手続が、勤務地が変わると一度では済まなくなるのである。
 それ故に、転勤したからと言って、北京で退出手続きを経ないでいきなり上海にやって来ても手続きが出来ず、北京で手続きを終えてから来てくださいということになる。
 この点、ご当地主義を取る中国では気をつけたいところであり、現在のように上海と北京の社会保険の実施状況に差異があるうちは、沢山起こりうる状況と言える。

総経理のビザにも社長歴が必要

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 総経理といえば中国では、基本的に「社長」を意味する役職で、お金を握っている会社で一番エライ役職となる。
 しかし、日本の株式会社の仕組みを知っている方なら理解されると思うが、中国の総経理というのは、日本の社長同様に会社のトップではあるが結局は「雇われ」の役職となっている。
 つまり日本の仕組みで言えば、会社の所持者は「株主」であり、その株主の意向に従って選任され会社の運営の方針を決めるのが「取締役」などの役員であり、実際の会社運営にあたるのが現場の総責任者である「社長」となる。 

 この「社長」は代表取締役と兼務する場合を除けば、単なる会社組織のために雇われた一つの役職に過ぎず、雇われの身分となる。
 そして中国における「総経理」というのも、やはり同様に株主側の人間が兼任することもあるが、商法的に言えば別の存在で日本の社長同様に「雇われ」の任職身分とされる。
 そのため、外国人が中国で総経理の身分でビザを取得するためには、それに適した人材である「優秀な人材」であることを証明する必要があり、会社がその外国人を「総経理」として迎え入れるだけの説得材料が必要になるということになる。
 そこで実は必要になるのが「社長としての経歴」であり、一般社員の職務履歴同様に会社を経営してきたことがあるかどうかを問われるのである。
 もちろん上手な経営をやってきたかどうかなどの細かな中身の説明は必要ないが、経歴として「経営をやってきたことがあるか」を問われ、そのため一般職同様に2年の社長経歴が必要とされる。

 まあ先方の理屈から言えば、会社の経営をやったことがない外国人をいきなり経営者に雇い入れるのはおかしいということであり、至極最もな理屈ではある。

 それ故に社長をやったことない人はいきなり総経理のビザを取得するのは難しいということになる。

 ただ、これにはテクニックがあり、外部招聘ではなく内部昇格の総経理ならば、その仕事や会社をよく知っている人物という判断になるので、社長経歴がなくても総経理ビザをとることが出来る。
 故に、新設の会社などでは普通のやり方では外国人がいきなりに総経理になるのは難しいので、当面は代理の中国人の名前で総経理を立てるなどをして、外国人は一定の時間が経過をするのを待ってから内部昇格ということで総経理に昇格し総経理としてのビザを取得するのが一般的な道筋となるかと思われる。

中国ビザの健康診断を日本で受診するのは無意味?

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 外国人が中国国内で就業したり留学で就学するためのビザ(居留許可証)を取得するには、必ず健康診断(体験)の受診と診断書の提出が必須になっている。
 この健康診断をどこで受けるべきかについて、いろいろ諸説飛び交っているが、結論的に言えば、上海で就学就業するなら上海で1回検査を受ければ良いという結論になる。

 ただ、中国のビザの説明の中には、中国大使館・領事館でが指定する医療機関で受診したものも有効云々の記載があり、これらの医療機関で実施された健康診断を以て、健康診断結果の一部として提出することが可能になっている。
 もし日本で受診した場合、健康保険の対象外なので費用として2~3万円かかると言われている。
 しかしながら、この日本での検査結果が有効かどうかの判断は全て中国側の検査機関の判断に任されることになるので、結果的に幾ら日本で検査を受けて来ようが中国での健康診断は避けて通れず、場合によっては全ての検査がやり直しということだってありうることになり、そうすると中国での検査費用として基本費用が再び最大710元(留学生は520元)がかかることになる。
(追加検査の場合はさらに追加請求される場合もゼロではない)
 それ故に、健康診断のことだけを考えれば、日本で受診する意味は全くなく、入国後に指定機関で検査すれば二度手間にならず、費用も安く上がる。

 では、何故日本に指定医療機関があって、そこでの検査結果も有効とされているか?

 結論から言うと、働く本人や派遣する会社の都合によるところが大きいと考えられる。
 つまり、中国に渡航する前に就学や就業してもよいと判断される健康体かどうかを見極めておいたほうが都合が良く、万が一ビザが発給されない病気などが発見された場合は、渡航や派遣を取り止められるからである。

 もし中国国内に入国してから病気などの状況が確認されたのでは、飛行機代や宿泊費などそれまでにかかった費用や時間が無駄になってしまうことになる。
 日本と中国は近いとは言え外国であり、飛行機代一つとっても渡航費用はバカにならず、最低でも10万円近くのお金がかかるわけで、日本以外の欧米などからなら尚更費用は嵩むだろう。
 それを考えれば、渡航前に事前検査をしておくことは非常に意味があり、日本国内の検査で2~3万の費用がかかったとしても、渡航後に万が一病気が発見されて居留許可が不許可になる可能性を考えたら安上がりなのである。
(中国での血液検査の際に注射針を刺されるのが嫌だとい人の声も少なくないとも聞くが、、、)

 一応指定機関で事前検査を受けてきた分は、現地の検査結果の一部として適用してもらえるので、中国での検査項目を減らしてもらったり、それによる費用の減額なども行なわれるのだが、最終的に責任を持つのは中国国内の検査機関ということになるから、現地での健康診断そのものは避けて通れない。
 よって健康に問題が無ければ、中国国内での一発診断でOKだが、お金を無駄にしないための予備調査として日本国内での健康診断受診は意味があるのである。
 
 ところで、中国のビザ代行業者の中にはこれら健康診断の費用を価格費用に含めていない場合が多いが、要するに健康診断の費用は被験者本人が直接受診機関などに払うものであり、「我々は徴収しませんよ」という意味で記載していない様である。
 しかし、ビザ(居留許可)取得の際には必ずかかってくるものであるので、忘れずに費用を予定しておきたいし、代行業者に依頼する場合は必ず事前確認をする必要がある。
 格安の金額につられて後から余分な費用が掛かって気分を悪くしないよう、事前内容確認は慎重にされたい。

Mビザで働いていた人が違法労働で摘発され罰金

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 先日、ある日本企業の顧客から相談の電話が入った。
 先方によると、先方の日本人の社員の1 人は、2年のM(商業貿易)マルチビザで中国に入国し、その後上海の会社で勤務していたのだが、つい先日当局から違法労働として摘発を受けてしまったとのこと。
 当局の説明ではMビザでは労働は禁じられており、入境後から現在までの就業は違法労働に当たるとされ、今回当局から会社に対して2万元、個人に対して5000元の罰金の処分が科されたとしている。

 で、今回当社に相談があったのは、こういった状況下で罰金処分を受けた本人は改めて正規の就労ビザ(Z)と居留許可の手続きができるかどうかだったが、ビザの手続き以外は特に問題が無い状態であったため、恐らく改めて申請すれば基本的には受理されるという回答になった。

 もちろん発覚した時の状況により、悪質と判断されれば最悪の場合強制送還ということもありえるが、現在は法律的移行期間の意味もあり、きちんと手続きすれば再手続は基本的に可能のようだ。
 いずれにしてもMビザ入国での労働は違法であり、現在当局は厳しく取り締まっている状況にあり、該当者は注意が必要となっている。

中国の労働ビザの許可条件は「優秀な人」

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 どこの国でも同じだが、国家や政府が産業政策や労働政策として基本に掲げるのは自国の産業発展と労働者の保護であり、どこの国の政府でも失業率改善に躍起になっている。
 それは中国でも日本でも同じことであり、特に日本は世界の中でも厳しいビザ発給制限が加えられ、国家の政策による特殊なケースでの入国以外は、なかなか就労のための日本入国は認められにくい。

 それに対して、中国は経済発展がやや遅れてスタートしたこともあり、外国からの投資を積極的に受け入れようとする結果から、外国人労働者の受け入れ、つまり労働ビザ発給に関しては日本のそれより寛容となっている。

 しかし、勘違いしてはいけないのは中国が必要としているのは国家の経済発展にとって必要な「優秀な人材」であり、外国人を無制限に受け入れようとしているわけではないということ。
 つまり中国人でも出来る仕事をわざわざ外国人1人を受け入れて雇うということは、形として中国人の職を奪うという意味になるので、認められないことになるのである。

 よって、外国人が外国人として中国で働く際には雇用側に「中国人ではなく外国人を雇う理由」が必要になり、それ故に国家の経済発展に必要な「優秀な人材」という評価が求められることになる。 

 もちろん「何が発展に必要」で「何が優秀」かは、なかなか一口に言えるものでは無いが、「優秀な人材」と評価する為の線引きの一つのモノサシとして決められているのが、中国では「大学卒業」と「2年以上の就労経験」という条件となっている。
 「大学卒業」というのは、一定の専門知識を履修したという証明であり、「就業経験」というのは仕事が出来る人材という評価になる。

 まあ大学を卒業したから優秀か?とか、業務経験が2年あれば優秀か?という実質的な中身の疑問は残るが、東大であろうが三流大学であろうが大学は大学であり、首席で卒業しようがお情けの卒業であろうが「大学卒業」であることには変わりがない。

 同じようにアルバイトだろうが公務員だろうが、労働経験として数えられるなら「就労経験」である。

 つまり書類上では何れも「大学卒業」と「就労経験」としか数えず、書類さえ整えばまずは「優秀な人の基準」をクリアしたことになり、その背後の現実まで追跡調査されることはないのが実態である。

 もちろん、就業許可申請の書類提出時に履修した学科や経験した職務と採用された職務がかけ離れている場合は、その職責にとって本当に「優秀な人材」かと問われることはあるし、中国人ではなく外国人を雇う理由が明確に説明できないと「必要な人材」とは認められず、外国人を雇わず中国人を雇えと言う判断がされてしまう可能性はある。

 故にとにかく就労ビザ(居留許可証)を許可してもらうための必要な条件は、国内の中国人では出来ない仕事をやれる「優秀な人」であることを「書類上で証明する」ことに他ならないのである。