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労働ビザ

海外の就労ビザ取得は職種と職歴の一致がコツ

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 転職活動をやったことのある人なら分かると思うが、仕事を探す際に人材会社などでまず提示させられるのが、過去にどんな仕事をやってきて、あなたは何が出来ますか?ということ。

 採用したり人材を紹介する側からすれば当然の質問であり、その本人を自社や取引先に入社させて、会社でまともに活躍できるかどうか見極めるのだから、どんな能力を持った人間か知りたく、そういう質問がなされるのである。

 しかし、実は転職する人の中には「今までと違うことをやりたい」から、転職する人も少なくない。
 そんな人にとっては過去のキャリアは邪魔になるし役に立たないのだが、過去のキャリアを基礎とさせられる転職活動の上で、異業種転職というのは非常に困難で、なかなか容易には成功しない。
 アルバイトならともかく、会社の戦力として必要なキャリアを持っているとは言えないからであり、本人の希望する違う世界に飛び込むには全く下積みからスタートすることを余儀なくされるのである。

 実は海外での就労ビザの取得にも同様のことが言える。 

 海外で就職を目指す人は、日本という枠を飛び出して「海外という新天地で新しいことに挑戦したい」と意気込んで飛び出す人も大勢いるし、そのくらいの勢いがなければ、なかなか日本国内から飛び出すことはできないだろうが、実際問題において「海外で」と「新しいこと」を両立させるのはやはり容易ではない。

 その容易ならざる壁の際たるものが就労ビザの取得で、以前も書いたように外国人に就労ビザを発行して国内での就労を許可する理由として「国に利益をもたらす優秀である人」が建前上の大前提になる。
 それ故に、職歴の無い人や学歴の足りない人に就労ビザが許可されないのであるが、例え過去に2年以上の職歴が有ろうとも、就職しようとする職種とこれまでやってきた職歴が一致しなければ、業務を遂行できる「優秀な人材」とは判断できないわけで、やはり就労ビザの許可は相当難しいという状況になるのである。

 例えば、優秀とされる医学部を卒業したような人でも、申請職種が「営業」で申請しされたのでは能力不適格で許可されないのであり、人事採用とほぼ同様の判断が行われることになる。
 それ故に「海外で」と「新しいこと」を両立させるのはやはり容易ではないという結論になる。

 では、素直に諦めるべきか? 

 実は中国では書類形式主義的なところのあるがあるので、書類上の矛盾さえうまく解消されていれば、許可は通されている現実がある。
 つまり嘘にならない範囲で、言葉の表現次第で職歴と採用職種をうまく近づけ一致させてしまうことは可能なのである。

 さらに、採用後のその職種と厳密に一致するかどうかなどの調査が実施されるようなことは滅多にないし、過去の職歴についても犯罪的な悪質な内容でなければ追跡調査されることもまずないので、書類と現実の極端な乖離が無い限り、問題になることはないのが現状である。
 つまり書類上の微妙な表現の矛盾に気を付けるだけで、通りやすくなる面があるということになる。

 もちろん、今までと全く違う職種で世界を目指す人がいても個人的には応援してあげたいが、現実面から言えば、日本で関連する仕事を2年ほど経験してから挑戦した方がやはりビザも取得しやすいし、キャリアの面から言っても日本で経験のないことがいきなり海外で出来ると思わない方が良いというのが実際の現実である。

駐在の奥さんが仕事を始める場合の中国でのビザ手続き

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 駐在員の奥さま達の中には中国に来られたあとに、時間を持て余して何かしら仕事を始めたいと考える方も少なくない。
 こういった奥様達の場合、たいていは御主人の就業ビザに付随するという意味でS1(家族ビザ:中国語では私人ビザがSの由来)で入境し、労働者本人の家族という理由で居留許可を取得しているケースがほとんどなのではないかと思う。

 しかし、中国の法律から言えば、このS1ビザで入境した人の中国国内での労働は認められていないのである。

 まあほんのアルバイト程度の労働ならば動くお金も少ないし、例えば日系病院の日本人向け受付のような場合は名前そのものが表に出ることもないので、こっそりS1の家族ビザのまま働いていても摘発されることはほとんどないと思われる。
 しかし、堂々と名刺を沢山配る営業職などは明らかに労働してることが公になるし、報酬にしてもそこそこまともな金額が支払われるので、やはり労働者と認定されること必須で、家族ビザのままでいれば隠しきれず違法労働ということでいずれ摘発される可能性がある。

 つまり結局は、そういったまともな働き方をする場合は、駐在の奥さんという立場があっても、ビザの取り直しが必要になり就労ビザ(Z)の取得手続きをほぼ1から始めなくてはならないことになる。

 この就労ビザを取得するということは、つまり当然のことながら国外から入境という段取りが必要になることを意味し、必然的に出国も必要となるので渡航費その他が嵩んでくるし、時間もそれなりに必要となる。

2016年にルール変更「新規労働ビザ取得時の一時出国が不要に、但しノービザは駄目」

 また逆に仕事を辞める時も同様で、仕事を辞めた途端に原則として就業証も取り消されるのが法律的原則となっている。
 つまり、すぐに転職して別の仕事を始めるにしても、無職になり駐在のご主人の専業主婦に戻るにしても、またもや居留許可の理由変更手続きが必要になるということになる。
 もし居留許可の変更手続きを行わないまま就業証が取り消された状態で放置すれば、状況によっては不法滞在として罰金対象になってしまうことにもなりかねないので、やはり手続きは必須となる。

 まあ長期で働くのであれば仕方ないこれらの手続きも、短期で就職・離職を繰り返していてはその都度手続きが発生するわけで、かなり面倒な状況だろう。

 しかもこうやって手続きを繰り返せば、当然のことながら代行業者に頼む頼まないに限らず手続きの度に最低限の手数料がかかるわけで、就職時に就職先の会社がビザ取得費用を負担してくれたとしても、まさか退職時に再びS1の家族ビザに戻る時の費用までは、駐在の御主人の会社を含めてどこも負担をしてはくれまい。

 まあ日本国内の就職だって採用側は社会保険の加入脱退手続きなど、人が出入りすると想像以上に面倒くさい処理が発生するのだが、外国である中国ではそれ以上に面倒くさいものとなっている。

 それ故に、駐在の奥さんで中国にやってきた場合は、時間が余っているからと言って日本国内と同じ感覚で気軽に短期で仕事を始めたり辞めたりするわけにはいかないのである。

 よって、駐在の家族の立場から新たに働きたいと考える場合は、そういった手続きの面で面倒くさいことを乗り越える必要があることを予め心して働くべきなのである。

中国ビザの健康診断を日本で受診するのは無意味?

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 外国人が中国国内で就業したり留学で就学するためのビザ(居留許可証)を取得するには、必ず健康診断(体験)の受診と診断書の提出が必須になっている。
 この健康診断をどこで受けるべきかについて、いろいろ諸説飛び交っているが、結論的に言えば、上海で就学就業するなら上海で1回検査を受ければ良いという結論になる。

 ただ、中国のビザの説明の中には、中国大使館・領事館でが指定する医療機関で受診したものも有効云々の記載があり、これらの医療機関で実施された健康診断を以て、健康診断結果の一部として提出することが可能になっている。
 もし日本で受診した場合、健康保険の対象外なので費用として2~3万円かかると言われている。
 しかしながら、この日本での検査結果が有効かどうかの判断は全て中国側の検査機関の判断に任されることになるので、結果的に幾ら日本で検査を受けて来ようが中国での健康診断は避けて通れず、場合によっては全ての検査がやり直しということだってありうることになり、そうすると中国での検査費用として基本費用が再び最大710元(留学生は520元)がかかることになる。
(追加検査の場合はさらに追加請求される場合もゼロではない)
 それ故に、健康診断のことだけを考えれば、日本で受診する意味は全くなく、入国後に指定機関で検査すれば二度手間にならず、費用も安く上がる。

 では、何故日本に指定医療機関があって、そこでの検査結果も有効とされているか?

 結論から言うと、働く本人や派遣する会社の都合によるところが大きいと考えられる。
 つまり、中国に渡航する前に就学や就業してもよいと判断される健康体かどうかを見極めておいたほうが都合が良く、万が一ビザが発給されない病気などが発見された場合は、渡航や派遣を取り止められるからである。

 もし中国国内に入国してから病気などの状況が確認されたのでは、飛行機代や宿泊費などそれまでにかかった費用や時間が無駄になってしまうことになる。
 日本と中国は近いとは言え外国であり、飛行機代一つとっても渡航費用はバカにならず、最低でも10万円近くのお金がかかるわけで、日本以外の欧米などからなら尚更費用は嵩むだろう。
 それを考えれば、渡航前に事前検査をしておくことは非常に意味があり、日本国内の検査で2~3万の費用がかかったとしても、渡航後に万が一病気が発見されて居留許可が不許可になる可能性を考えたら安上がりなのである。
(中国での血液検査の際に注射針を刺されるのが嫌だとい人の声も少なくないとも聞くが、、、)

 一応指定機関で事前検査を受けてきた分は、現地の検査結果の一部として適用してもらえるので、中国での検査項目を減らしてもらったり、それによる費用の減額なども行なわれるのだが、最終的に責任を持つのは中国国内の検査機関ということになるから、現地での健康診断そのものは避けて通れない。
 よって健康に問題が無ければ、中国国内での一発診断でOKだが、お金を無駄にしないための予備調査として日本国内での健康診断受診は意味があるのである。
 
 ところで、中国のビザ代行業者の中にはこれら健康診断の費用を価格費用に含めていない場合が多いが、要するに健康診断の費用は被験者本人が直接受診機関などに払うものであり、「我々は徴収しませんよ」という意味で記載していない様である。
 しかし、ビザ(居留許可)取得の際には必ずかかってくるものであるので、忘れずに費用を予定しておきたいし、代行業者に依頼する場合は必ず事前確認をする必要がある。
 格安の金額につられて後から余分な費用が掛かって気分を悪くしないよう、事前内容確認は慎重にされたい。

Mビザで働いていた人が違法労働で摘発され罰金

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 先日、ある日本企業の顧客から相談の電話が入った。
 先方によると、先方の日本人の社員の1 人は、2年のM(商業貿易)マルチビザで中国に入国し、その後上海の会社で勤務していたのだが、つい先日当局から違法労働として摘発を受けてしまったとのこと。
 当局の説明ではMビザでは労働は禁じられており、入境後から現在までの就業は違法労働に当たるとされ、今回当局から会社に対して2万元、個人に対して5000元の罰金の処分が科されたとしている。

 で、今回当社に相談があったのは、こういった状況下で罰金処分を受けた本人は改めて正規の就労ビザ(Z)と居留許可の手続きができるかどうかだったが、ビザの手続き以外は特に問題が無い状態であったため、恐らく改めて申請すれば基本的には受理されるという回答になった。

 もちろん発覚した時の状況により、悪質と判断されれば最悪の場合強制送還ということもありえるが、現在は法律的移行期間の意味もあり、きちんと手続きすれば再手続は基本的に可能のようだ。
 いずれにしてもMビザ入国での労働は違法であり、現在当局は厳しく取り締まっている状況にあり、該当者は注意が必要となっている。

中国の労働ビザの許可条件は「優秀な人」

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 どこの国でも同じだが、国家や政府が産業政策や労働政策として基本に掲げるのは自国の産業発展と労働者の保護であり、どこの国の政府でも失業率改善に躍起になっている。
 それは中国でも日本でも同じことであり、特に日本は世界の中でも厳しいビザ発給制限が加えられ、国家の政策による特殊なケースでの入国以外は、なかなか就労のための日本入国は認められにくい。

 それに対して、中国は経済発展がやや遅れてスタートしたこともあり、外国からの投資を積極的に受け入れようとする結果から、外国人労働者の受け入れ、つまり労働ビザ発給に関しては日本のそれより寛容となっている。

 しかし、勘違いしてはいけないのは中国が必要としているのは国家の経済発展にとって必要な「優秀な人材」であり、外国人を無制限に受け入れようとしているわけではないということ。
 つまり中国人でも出来る仕事をわざわざ外国人1人を受け入れて雇うということは、形として中国人の職を奪うという意味になるので、認められないことになるのである。

 よって、外国人が外国人として中国で働く際には雇用側に「中国人ではなく外国人を雇う理由」が必要になり、それ故に国家の経済発展に必要な「優秀な人材」という評価が求められることになる。 

 もちろん「何が発展に必要」で「何が優秀」かは、なかなか一口に言えるものでは無いが、「優秀な人材」と評価する為の線引きの一つのモノサシとして決められているのが、中国では「大学卒業」と「2年以上の就労経験」という条件となっている。
 「大学卒業」というのは、一定の専門知識を履修したという証明であり、「就業経験」というのは仕事が出来る人材という評価になる。

 まあ大学を卒業したから優秀か?とか、業務経験が2年あれば優秀か?という実質的な中身の疑問は残るが、東大であろうが三流大学であろうが大学は大学であり、首席で卒業しようがお情けの卒業であろうが「大学卒業」であることには変わりがない。

 同じようにアルバイトだろうが公務員だろうが、労働経験として数えられるなら「就労経験」である。

 つまり書類上では何れも「大学卒業」と「就労経験」としか数えず、書類さえ整えばまずは「優秀な人の基準」をクリアしたことになり、その背後の現実まで追跡調査されることはないのが実態である。

 もちろん、就業許可申請の書類提出時に履修した学科や経験した職務と採用された職務がかけ離れている場合は、その職責にとって本当に「優秀な人材」かと問われることはあるし、中国人ではなく外国人を雇う理由が明確に説明できないと「必要な人材」とは認められず、外国人を雇わず中国人を雇えと言う判断がされてしまう可能性はある。

 故にとにかく就労ビザ(居留許可証)を許可してもらうための必要な条件は、国内の中国人では出来ない仕事をやれる「優秀な人」であることを「書類上で証明する」ことに他ならないのである。

転職後はすぐに居留許可の切替えが必要な中国のビザ制度

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中国人の経営する会社に転職した人に多いケースなのだが、前の会社で取得した居留許可証(就労ビザ)の有効期限がまだ数か月残っている場合、切り替えないでいいと思っている場合が多いようなのである。
 しかし、これは中国の法律にのっとって考えると間違いということになる。
 中国で居留許可の扱いは、ビザそのものの許可よりも、就業証の有無に依るところが大きく、居留許可証は就業証に基づいて100%リンクするのが法律の求めるところとなる。
 そのため転職した場合は居留事由の変更に当たり、就業証も登録変更が必要になる。
 もちろん、しばらく手続きせず放置しておいて更新期限が来てから手続きすればいいと考えられそうなものだが、法律では10日以内の手続きをもとめているので、前職の離職証明書と手続きの日付が離れすぎてしまっていると、結局放置している間は不法滞在の扱いになり最悪の場合は新しい就職先と本人が罰金などを科されることになる。

 離職証明書の日付を新しい就職先の業務開始日に合わせてうまく調整してもらえるなら乗り切れるかもしれないが、一般的に会社は退職者に冷たいのが普通なので、そういった都合の良い対応は期待しない方がよいし、中国の会社の場合は下手をすると退職証明書の発行手数料を要求されたりするかもしれない。
 それ故に、退職時に確実に離職証明書をもらっておくのが必須で、転職したらすぐに就業証の変更手続きを開始してもらう必要があるのである。 

上海でビザを取得するには上海の会社と住所が必要

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当たり前といえば当たり前のことだが、外国人が上海に就職してそのための労働ビザや居留許可を取得するためには、会社の所在地というか登録は上海の会社でなくてはならなく本人の居住住所もやはり上海市内であることが必要になる。
日本でも企業の登記の場所というのはそれなりに重要な意味を持つが、居住や転居の自由が保障されている我々日本人にとっては税金の納付先や許可の申請先が違う程度の意味しか持たない。

しかし、出身戸籍の拘束がまだまだ厳しい中国では、行政区域の境界の持つ意味はまだまだ大きく、今では往来こそ自由になりつつあるが、居住や就職という意味では日本の行政区域の境界ほど敷居は低くない。
それ故に外国人として中国で働く場合は、この居住地と勤務先が一致することが大原則となる。

つまりどういうことかというと、外国人には越境通勤が認められていないという状況になっているのである。

近年の高速鉄道の開通により、浙江省の杭州からなら45分、江蘇省の蘇州なら30分程度で上海市内にたどり着くことが出来るし、つい最近できた軌道交通11号線を使えば、江蘇省の昆山市から上海市内へ地下鉄1本なので、日本の新幹線通勤を思えば十分通勤可能となっている。
実際最近は住宅費の安い蘇州などから上海へ通っているケースも増えてきたと言うが、しかしながらこういった越境通勤が許されるのは御当地の中国人だけで、外国人にとっては越境通勤は基本的にご法度となる。
 何故ならば居留許可を受ける場所と、勤務先の会社の場所が同じ行政区域である必要があるからである。
 よって例えば南京の会社が上海に事務所を持っていて、そこで働けるスペースがあったとしても、その会社はあくまでも南京の会社で、南京に住む許可しか出ないことになり、南京の住所が必要になる。
 つまり、上海で働くからには上海に住む場所や上海の会社で有ることが必須で、昆山に家を買ったり安い部屋を借りられたとしても、上海で働くには上海に登録がある会社に就職する必要があり、上海市内の住所が必要となるのである。