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在外公館

日本で卒業した外国大学の卒業(学位)証明書の中国ビザのための認証の問題

 中国における労働ビザ(工作証・居留証)を取得するにあたって、重要なポイントの一つとなるのが大卒資格(学位)であるが、その証明を工作証(労働許可)の申請資料として提出するにあたって有効性を得るには、中国の在外公館などで認証を受ける必要がある。

 ところが日本には、日本国内にいながら外国大学の卒業資格が得られるような外国大学の日本校があり、そういった大学を卒業して得た卒業資格(学位)では、日本国内の中国在外公館では認証を受けられないケースがある。

 これらの外国大学については、実は日本国内で大卒資格が認められるものと、認められないものの2種類があり、問題になるのは後者のようである。

 日本国内で大卒資格として法律上認められるのは日本の学校教育法で「文部科学大臣が指定する外国大学の日本校」とされ、そこに含まれていなければ、日本では大学卒業資格を認定してもらえないのである。

 ならばどうするか?

 原則として、その大学の本拠地のある国や地域の中国在外公館を通じて認証を受ける必要が出てくる。

 つまりアメリカの大学ならアメリカの中国の在外公館で、イギリスの大学ならイギリスの中国在外公館で認証申請することになる。
 もちろん外国の現地大学に通って卒業した場合も、現地の中国在外公館に申請を行わなくてはならず、日本では申請できない。

 さらに、上記の日本校を持つ外国大学の場合は、本拠地がその母国の本国ではなく、はるか離れた大洋上の統治領の島ような場所にある場合も少なくなく、そこを管轄とする中国在外公館を探して申請しなければならないような場合もあるようである。

 認証申請には認証書の原紙の受け取りが必須であることから、郵送の手間が生じ、時間と費用もそれなりに必要となる。

 弊社でも代理申請の相談を受けられなくもないが、外部エージェントを通じた申請になるため、全ての国・地域・学校の取得を保証できるとは言えず、費用についても本人が現地に赴いたほうが割安と感じるほど高額になる可能性があるとお考えいただいたほうが良い水準になる。

 また手続き期間についても少なくとも一か月程度は必要になり、当然のことながらこの処理が終わるまでは工作証許可(労働許可)申請を始められないのである。

 いずれにしても、日本にいながら外国大学の卒業資格を得ることは出来ても、それを活用するためのハードルはそれほど低くないのが現実となっている。
 

中国国内でパスポートを更新した場合のビザ貼り替えには同一人物証明書が必要(訂正)

 中国に長く滞在していると滞在中にパスポートの期限が来て更新が必要な機会も生まれてくる。

 日本の在外公館でもパスポートの更新が可能なことは以前も記し、居留証(ビザ)の貼り替えが必要なことも書いたが、最近の中国側のルール改正によりこのパスポート更新後の居留証(ビザ)貼り換えの際に、提出に必要な書類が一つ増えた。

 増えた書類とは「パスポート交換証明書」である。

つまり居留証(ビザ)の交換の貼り替えを希望する者のパスポートが、以前居留証を取得した者と同一人物であることを証明する必要が生じたのである。
(パスポートは更新すると番号が変わるため)

 写真を見れば一目瞭然じゃないかとおっしゃられる方もおられるが、最長10年のものが発行されるパスポートでは、10年前と現在では顔の雰囲気などが変わるので、顔写真だけでは確実に同一人物だと確証は得られず公的な証明が必要になったものと考えられる。

 ちなみに日本国内や他国でパスポートを更新された場合はこの証明書は不要のようも必要で、重要なのは入国スタンプの押されている古いパスポートと真っ新なパスポートの所持者が同一人物で、必要な手続きを経て入国された人物であるかどうかという点に確認ポイントがあるようだ。
 
 従って、中国国内の在外公館でパスポートを更新する際には、同時に発行元(日本政府外務省)にパスポートを交換した証明書を要求する必要が出てくるのである。

 
 この当局の要求について、日本の在外公館で発行する書類の中では、「同一人物証明書」というものが該当するようであり、やはり新旧のパスポートが同一人物であることを証明する書類となっている。

 この同一人物証明書は、パスポートの更新申請の際に同時申請できるほか、後からの追加申請も一応可能なようである。
(どこまで遡れるかは不明)

 手続きについて上海の領事館に確認したところ、空いていれば1時間程度で発行され、つまり即日交付も可能で事前申請も可能とのこと。
 但し、いずれも費用として110元が必要となっている。(2016年11月現在)

従って、今後は中国国内でパスポートを更新した際は、この「同一人物証明書」を添えて、就業証や居留証の変更手続きを行うことになる。
(規定ではパスポート更新後暦日10日以内の更新手続きが求められており、新パスポートの発行日は通常申請日当日となることから、長期連休を挟んだパスポート更新申請などは規定を満たせなくなることから避けた方が無難である。)

ちなみに、この「同一人物証明書」は銀行電話の登録情報の変更の際に要求される可能性がある書類で、日本など中国国外でパスポートを更新した際にも、身分証明書の変更として居留証(ビザ)の更新には必要なくても、発行してもらったほうが良い書類である。

 なお、ノービザ(或いはその他のビザ)での入国期間中に中国でパスポートを更新した場合(かなり稀なケースと思われるが)も、上記に書いたように入国スタンプが重要性をもつことから、出国時に同一人物証明書を添えて、新旧パスポートを出国係官に提示するのがより確実な対応と思われる。

 いずれにしても、人物証明の基礎となるパスポートを更新した場合、証明書の信用度の連続性を問われてしまうことになり、二つの情報が同一人物のものと確認されるためには、生身の顔よりも書類が大事なのが現実ということになっている。