今年の4月に始まった中国の労働ビザの新制度であるが、その必要書類の一つに学力を証明する書類の提出が必要とされている。
この学力を必要とする書類として、これまでは最終学歴に依らず卒業証明書を提出していたのが過去の慣習となっていた。
ところが、ここ最近の審査状況の実態では、この最終学歴の証明書だけでは不足とされるケースが続出しており、卒業証明書とともに、「学位」を証明する学位証明書も提出するように求められるようになった。
学位とは、いわゆる「学士」「修士」「博士」」のことである。
もちろん、卒業証明書上に学位の記載があれば問題ないのだが、記載がなければ別途取り寄せることになる。
この点、通常日本の大学では、「卒業=学位認定」となるため、新たに学位を確認されることはほとんどなく、卒業証明書上に記載のない大学も少なくない。
しかし中国の当局にとっては世界中から色んな学校の卒業証明書が提出されるわけで、卒業証明書だけ提出されても各国言語で書かれた学校の名称だけではそれが大学なのか高校なのか専門学校なのか判別がつかないということのようだ。
まあ日本の大学だけを考えるならば同じ漢字国なので「〇〇大学」という漢字名称を見れば、通常は大学であることはほぼ推測可能なように思えるのだが、日本でも「首都大学東京」や「職業能力開発大学校」など慣例に従わない大学名称なども存在し、かつては大学ではないのに「大学校」を名乗った学校も存在していたりするので必ずしも名称では判別できなかったのである。
そこで世界統一基準として「学位」というものを、能力証明基準として要求されるようになったのと推測される。
学位を取得していれば、学校そのものがどんな学校を問う必要はなくなり、学校の存在だけ確かならば「学位証明」能力証明は事足りることになるのである。
まあ中国人でも知っている日本の有名大学卒業の方には面倒な話になったこの要求ではあるが、平等に正確性を期すという意味では日本人にとって漏れていた視点なのかもしれない。
今後、日本で卒業証明書を取得される方は、忘れずに学位記載或いは或いは別途学位証明書を取得されることをご忠告したい。
なお、この卒業証明書及び学位証明書については、そのままでは提出できず、日本の中国大使館(領事館)での認証が必要(現状上海では在上海日本国総領事館の公印証明で可)で、あるので、この手続きも忘れずに行っていただきたいものとなっている。
コメントを残す