あるお客さんの労働ビザの手続き上であったケース。
当社でお客さん本人がサインした労働契約書とパスポートを持って労働局に書類を提出したところ、当局からサインが違うと言われてしまった。
よく見ると、確かに微妙に違うと言われれば違う点もあるが、少なくとも労働契約書に関しては当社の担当の目の前で本人がサインしたもので、正真正銘の本人のサインであることは間違いない。
またパスポートに関しても、今回のパスポートが発行されたのは5年前だが、よほど悪意を持ってパスポートを偽造したりするのでなければ、本人以外の第三者が真似てサインした状況ができたとは考えにくい。
従って両方のサインともやはり本人が書いた正真正銘の本物であることはほぼ疑いようがなかった。
しかしながら、労働局では2つのサインが少し違うと言われてしまったのである。
実はこのお客さんのサインは、楷書体ではなく多少崩した文字となっており、その特徴というか癖がパスポートを作成した5年前とやや違っていて、5年前と一部形が変わってしまったようなのである。
この結果、労働局としてはパスポートのサイン画像を正として、労働契約書のサインが別物として判断されてしまったようだ。
本人が書いた2つのサインが別モノと言われては、何とも理不尽な印象だが、書類主義で処理をする行政機関としては、この小さな差異は見逃せなかったと見える。
一般的に真似されにくい文字として崩し文字のサインは良く見かけるが、安定したサイン形状を継続しないと、思わぬところで信用されないということがあることは今回一つの教訓となった。
特にパスポートへサインした時の文字は、その後の色んな場所での基準となるので、以降も再現できるしっかりした安定した字体で書くのが必須であると言える。
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