今回ビザ取得の話とは直接関係ない話で恐縮なのだが、日本のパスポートやビザを良く観察すると、結構驚くべき発見がある。
特に日本のパスポートは、日本のお札同様に偽造防止に仕組みが結構あり、複雑な構成となっているのである。
例えば透かしの技術である。
顔写真のあるページを光に透かしてみると、まず顔写真の下に「日本国」の文字が浮かび上がる。
さらに同じページの文字情報側には「富士山」の絵が浮かび上がる。
また、写真頁側の表面のシールのような部分にはホログラムが施され、透かしとは別の富士山や桜の花びらが散りばめられている。
そのほか、そのページの綴じ口側の「日本国」の後ろにある波線のように見える文字は実は「JAPANPASSPORT」という文字の集合体で構成されている。
また中国のVISAが貼られたり、スタンプが押されるスペースも実に微妙な施しがある。
まずベースの紙に桜の紋様が織り込まれ、それとは別に表面上の模様の中に桜の花びらが再度織り込まれ、また重層的に風紋のような模様が紙の上に印刷されている。
そしてそういった紙の上に何ページ目かを示す数字とパスポート番号の打ち抜きがあり、他のパスポートと差し替えが出来ないような工夫がされている。
また「査証」と書かれた線のように見える部分も実は「JAPANPASSPORT」という文字の羅列であったりするから非常に驚きである。
さらに最終ページ見開きの左側の模様の真ん中には「JAPAN」の文字と桜の花びらが特殊印刷で埋め込まれているし、右側下の小さい模様の真ん中には「JPN」の文字が隠れているのである。
そしてこういった紙の高度な技術の上に、ICチップも埋め込まれている訳であり、日本のパスポート偽造防止技術には恐れ入る。
きっと、日本の紙幣偽造防止はこれよりさらに高い技術だと思われ、日本経済の信用の一端を担っているのだろうが、パスポートだけでも非常に高度である。
ところで、われわれ日本人のパスポートに貼られる中国のビザにもやはり、それなりの偽装防止策が施されている。
ビザのシールの背後には「万里の長城」が印刷され、さらに罫線のように見える部分も拡大してみると「CHINA」の文字の羅列であることがわかる。
そして、最下部のコードが印刷さている部分にも、よく見ると隠し文字が印刷されている。
残念ながら何と書かれているのかは判別できなかったが、やはり偽造防止策が施されているようである。
このように、人の身分にかかわる書類には、我々の想像以上に偽造防止が施されており、大事にすべき存在であると改めて言えよう。