2017年にスタートした中国人の就業許可に関する手続きに時間がかかるようになったことは何度かお伝えしているが、実は取得時同様に取消にも時間がかかるようになっている。
要するに取得時同様に、書類をアップロードして予備審査を受け、その予備審査が通過してから実際の書類を提出するという手順が、工作証の取消手続きにおいても新制度では採用されている。
このため、従来の就業証の手続きであれば、直接書類交付だったので5営業日(=約1週間)程度で手続き完了となっていたが、新手順においてはネットでの書類を審査する予備審査が5営業日、その後に実際の書類を提出して審査を受ける本審査に最大10営業日が必要になっている。
実際にはここまでフルに時間がかからず早めに処理が完了することが多いようだが、実際早く終わるかどうかは天任せでしかなく、やはり最大時間を念頭において手続きを進める必要がある。
ただ、このように工作証許可の取り消しに時間がかかる現状になったとしても、駐在員の帰任のように、いくら取り消しに時間がかかろうとも帰任する本人にとってはほとんど影響がない。
手続きに本人に関わるのはほんの最初だけで、あとは現地スタッフに任せることが出来るからである。
これに対して、中国国内で転勤や転職をするような場合は、大きな影響が出てくる。
中国国内で転勤や転職をする場合は、前職の退職日から10日以内に工作証の取消申請を行い、1か月以内に新規の会社での工作証の申請を開始しなければならなければ新規申請扱いになってしまうという時間的制限が加えられている。
(居留証については公安部で変更事項について10日以内に届け出ろという規定があるが、転職を伴う場合は物理的に間に合わないので、別途の処理を経る必要がある)
この日程を考えると、離職直後から手続きを開始しても、一か月以内に新勤務先の工作証の申請を開始するためにはそれほど余裕があるわけではなく、かなりギリギリとなる。
また手続きは営業日でカウントされるのに対して、ほとんどの日数制限規定は暦日で定められているため、春節や国慶節など長期連休が絡む場合は間に合わなくなる可能性が大である。
それゆえに、退職時期や入社時期を配慮する必要があるのである。