上海も日本も暑い夏の真っ盛りであるが、7月8月は移動のシーズンでもあり、9月などの秋以降からのスタートを目指して日本から上海に赴任してくる人も少なくない。
もちろん赴任してくるとなれば、ビザの手続きが必須になるのだが夏にビザを取得しようとされる場合、ちょっと気をつけたいことがある。
それはビザの手続き上で必要になる健康診断の予約が8月は取りにくくなるということである。
どういうわけで健康診断の予約が取りにくくなるのかというと、まず欧米系の文化では9月が新年度の切り替えとなるので、必然的に赴任してくる人も多い時期となる。
さらに大きな問題なのが、健康診断を実施する上海国際旅行衛生保健中心は、何も外国人の受け入れの健康診断だけを実施しているわけではなく、中国からアメリカや日本などへ留学する中国人のための健康診断と証明書を発行する業務も担っている。
つまり年度切替のこの時期には新たに海外へ留学しようとする中国人学生などの健康診断ラッシュと重なり非常に混雑するのである。
もちろん中国へ留学目的でやってくる人もやはりこの時期に健康診断を受けるのであり、混雑に拍車をかける事態となっている。
このため8月に赴任してくる方にとっては、労働ビザ(居留証)取得のため折角入国したものの、健康診断の予約が1~2週間待ちになることもザラになっており、手続きが予定通り進まなくなりやすいのである。
となると、手続きが滞って無駄な時間を過ごすことになるわけで、日本で取得してきたZビザの滞在期限内に一連の居留許可への変更手続きが終わらない危険性も出てくることになる。
この場合、上海の出入境局に書類を持って行って交渉すれば滞在期間を延長してもらえる可能性も無いわけではないようだが、場合によってはZビザが失効し手続きを途中からやり直さければならないような事態も想定されるのである。
そうならないためにも赴任者本人の入国日が決定した時点で早めに健康診断の日程を予約するのが、季節を問わずスムーズにビザ取得手続きを進めるコツといえる。